桜に寄す~Une voix à “SAKURA”~
1935年にコンセールパドゥルー管弦楽団を率いて《交響曲第二番》《ピアノ協奏曲第二番 ト短調》などを発表。華麗なパリデビューを果たした。本作品はその二作品と共に初演し絶賛を博した作品で、「パリで発表した管弦楽伴奏による日本語歌曲」である。自ら書いた詩の中に古謡《さくらさくら》が織り込まれ、当時名を馳せていたロシアのソプラノ、マリア・クレンコが初演した。オーケストレーションの素晴らしい芸術歌曲で、このジャンルを代表する作品。春の桜のシーズンに先駆け、NHK「名曲アルバム」で、高関健指揮/東京フィルハーモニー管弦楽団、釜洞祐子(Sop)の演奏が、神戸女学院キャンパスの映像と共に流れることがある。国内や海外で活躍する日本人歌手のレパートリーにふさわしい名作。