- 器楽曲
- 協奏曲
ピアノ協奏曲第三番 変イ長調 「神風協奏曲」(1938年3月) Piano Concerto No. 3 in A Flat Major "Kamikaze"(March 1938: Kobe)
- 創作地
- 神戸
- 初演
- 1938年6月24日
楽譜画像
解説
日中戦争下の1938年に、自ら宝塚交響楽団を指揮し、ピアノ独奏マキシム・シャピロによって発表した作品。副題の「神風」は太平洋戦争末期の特攻隊ではなく、朝日新聞社所有機の名称。初演時には楽壇から酷評を受け、また時局の悪化により、以降演奏の機会がなかったが、戦後になって1948年と51年に、大澤指揮大阪シンフォネットと神戸女学院出身のピアニスト豊田壽子により、ラジオを通じて再演された。それから大澤は急逝して、膨大な作品と共に没後半世紀以上忘れられたが、再び浮上したのは、池田卓夫の発案に端を発する本作品のCD化である。片山杜秀監修「日本作曲家選輯」シリーズの1枚としてリリースされ、2004年度文化庁芸術祭レコード部門最優秀賞を受賞。現代のリスナーをも揺さぶるダイナミックな音楽が話題を呼んで、「平成の復活劇」が起こった。
CD
「オーケストラ・ニッポニカ 第1集」本名徹次指揮/オーケストラ・ニッポニカ、野平一郎(Pf) NAT-09041
「日本作曲家選輯 大澤壽人」ドミトリ・ヤブロンスキー指揮/ロシア・フィルハーモニー管弦楽団、エカテリーナ・サランツェヴァ(Pf) NAXOS-8.557416J
「大澤壽人の芸術」山田和樹指揮/日本フィルハーモニー交響楽団、福間洸太朗(Pf) COCQ-85424